みなさん、こんにちわ。ご訪問ありがとうございます。
みなさんは「独立・開業」に興味を示した事はないでしょうか?
あるアンケート調査では「独立・開業」について、約41%の人が興味があると答えています。

僕も「自分の店」を持ちたいと思ったことがあります。
数多くの転職を経験をしてきて筆者ですが、
昔に、知人から「一緒に小売店をしないか?」と持ち掛けられたことがあります。
いわゆる、「共同経営しないか?」ということだったのですが、
その共同経営は、知人が個人事業主(店のオーナー)で、筆者は雇われ店長といったものでした。
当時、筆者は他社で就業中でしたので、
ずいぶん悩みましたが「お店をつくる」という事に憧れもあり、やることにしたのです。

お店は輸入雑貨店をしようということでした。

飲食店と違って比較的開業し易そうだけど…。何となく安易ね…。
雑貨について、特に知識や愛着がある訳ではありません。
雑貨店ならば、万人に受けるのではないかという考えだけです。
先に結論から言うと、お店の売上げはお粗末なものでした。
みなさんも「自分のお店でも持てればなぁ」と夢を抱いている人は多いのではないでしょうか?
今回の記事は、個人事業主が行う店舗経営の難しさや現実はとても厳しいということについて書いてみました。
今思えば、筆者が行った店舗作りはとても稚拙なものでした。
しかし当時は、自分なりに試行錯誤しながらお店作りをしていました。
上手くは行かなかったですが、筆者の実体験を書いています。
「店をしてみよう」「独立してみよう」と考えている人に、少しでも参考になれば嬉しいです。
ぜひ最後までお付き合い下さい。


個人店の5年後の廃業率は約75%。

色々なデータがあり、ひとまとめには言えませんが、
5年後に店が潰れる確率は4店の内3店程です。
実に75%は廃業してしまうのです。

10年後廃業率は、約90%にもなってしまいます。

もうほとんどが潰れるのね。
ちなみに飲食店の場合は、もっと廃業率は高くなる傾向にあります。
何故、自営店は続かないのでしょう?
それは「開業前の計画よりもお客が来ず売上が少ない」ことに尽きると思われます。
筆者が経験した輸入雑貨店もそうでした。
そう簡単にお客さんは来てくれないのです。
一日に10人以上来たら大喜びでした。
売上も1万円近くあれば万々歳でした。
輸入雑貨店の概要。
店舗面積は、一般的なコンビニの1/4程でした。
立地は大手私鉄の駅から徒歩約5分です。
決して悪い場所ではありませんでした。
取り扱う商品は雑貨店ということもあり、多種多様に取り扱っていました。
何か特別なジャンルに特化した雑貨店というものではなかったです。

開業当初は、可愛い系の雑貨やウケそうな雑貨を並べただけの店でした。

ホントに何のコンセプトもないのね。

今思えば、まさに失敗しそうな小売店です。
店長としての待遇。
筆者は雇われ店長ですので、勤め人ということです。
通常の共同経営であれば、お店の売上げの利益から給与をいただくことになります。
しかし筆者が合意した共同経営は、オーナーが給与保証をしてくれるものでした。

給与は月給で手取り15万円を保証してくれました。

売上がなくても給料を貰えた訳ね。

なんか図々しい契約ね。
社会保険完備で通勤費も全額支給でした。
勤務体系は週休二日制で勤務時間は9時から18時の8時間勤務です。
お店作りに夢中の日々。

お店の立地場所はオーナーが見つけており、そこからのお店作りに筆者も関わっていきました。
雑貨の仕入れは、輸入雑貨の卸しをしている店舗や卸し問屋街で行っていました。

商品の仕入れは楽しくて仕方ありません。

自分で選んだ商品が売れたらと想像するだけでワクワクするわ。
商品は食器やグラスやキッチン雑貨をメインに扱っており、
バス・トイレ用品、キーホルダー等の小物類を取り揃えていました。
新規開店日までの約2週間は、店内のレイアウトを考えたりとお店作りに励みます。
とても楽しく充実した日々でした。

他の雑貨店を見て回り、参考にしながら商品の配置等を進めていきます。

結局、特徴のないありきたりな雑貨店になっちゃったんじゃない?
お客が0人の日々。

お店の売上計画やコンセプトに煮詰めたものはありませんでした。
ただ漠然とした計画予想です。
「月の売上はこんなものかな?」、「おしゃれな輸入雑貨を安価で提供する」といったおぼろげな店舗コンセプトでした。
そんな店作りだったので、当然お客さんは全く来てくれません。
街に突然オープンした謎の店で、得たいの知れなさもあるのでしょう。
ただ、筆者の友人がよくお店に来てくれて、売上げに貢献してくれました。

お店開業後に、知人が来て売上に貢献してくれるパターンね。

個人店開業時のあるあるです。しかしそんなものは長続きしません。
売上げが一日1000円にも満たない日々が続きます。
たまに、「この店なんだろう?」と入ってくれるお客さんも店内を一周して退店することが多かったです。
お客さんが「何か買わなきゃ、退店し辛い」と、商品を一つだけ買っていく感じにはとても申し訳ない思いがありました。
起死回生を期待した「黒豆茶」。

販売権を得た「黒豆茶」
全く手応えのない新規開店から2~3ヶ月後、
オーナーから「黒豆茶」の独占販売権を得たとの知らせがありました。
この「黒豆茶」は台湾のメーカーが販売しているティーバッグ用のお茶でした。
当時の日本では、あまり馴染みのないお茶です。
インターネットもまだ普及していないので、販売権を得るということは大きな意味がありました。

健康食品オタクの僕は、「黒豆茶」の効能にとても興味深く思いました。

高血圧や便秘改善・血液サラサラ効果等が期待できるのね。
この黒豆茶を店頭に並べ、通販でも買えるようにしました。
決して爆発的な売れ方ではありませんが、徐々に売れて店の看板商品になっていきました。
時流に乗った「黒豆茶」。
店頭で「黒豆茶」を目立つようワゴンに山積みにして、主力商品にしていきました。
インターネットが普及していない時代でもあり、「いかに、黒豆茶を知ってもらえるか?」を試行錯誤します。
そこで懸賞雑誌の利用を検討します。
プレゼントとして掲載しながら黒豆茶の顧客、ファンを増やそうと試みます。

黒豆茶の宣伝にもなりそうね。

雑誌の掲載料はなく、経費もかかりません。
そしてタイミング良く、昼間の人気ワイドショー番組で「黒豆の煮汁」が特集されたのです。
「黒豆の煮汁」が血液をサラサラにし、便秘も改善するという効能が放送されました。

黒豆がにわかに注目を集めたわよね。

黒豆茶は煮汁よりも風味があり飲みやすいです。
そういう時流にも乗りつつ、黒豆茶の広告を強化します。
当時、TVタレントさんが店の商品を紹介してくれるという月刊誌がありました。
その月刊誌に応募してみました。(掲載料は約3万円かかります。)
本の掲載には審査があるのですが、無事に審査も通ります。
そして実際に、TVタレントさんがお店まで来てくれて黒豆茶の試飲をしてくれました。
タレントさんに、黒豆茶についてのインタビューを行なってもらいます。
その後、黒豆茶を持ったタレントさんと筆者で写真を撮って終了というものでした。

翌月、雑誌に自分の写真が載っているのを見た時は、不思議な感覚でした。

お金払って載っているだけなんだけどね。
今の時代、個人店を続けていくのは限界があるかもしれません。
ただ、やはり「お店を持つ」ということには夢があるものです。

リスクを負うオーナーと負わない店長。
上記の月刊誌の発売後は、黒豆茶の売上げが良好になっていきました。
とくに通販では、毎日数十個の注文が入るようになります。
以前の一日の売上げ数百円だった店が嘘のようです。
当初の描いていた輸入雑貨店とは違いますが、黒豆茶のみに集中して販売促進を行ってもいいんじゃないかとオーナーに提案します。
しかし黒豆茶が順調にいきだした矢先に、急転直下の出来事が起こります。

オーナーから黒豆茶の販売権を第三者に売り渡したいとの相談があります。

少し前からオーナーの店舗経営への気力がなくなってる様子は、感じ取ってはいました。
黒豆茶の販売が順調になってきたとはいえ、
お店の運営資金や筆者の人件費を賄う分までにはまだまだの状態です。
お店を開業して1年弱、相当な資金がかかってもいるでしょう。
販売が順調な内に黒豆茶の販売権を他者に譲り、少しでも資金の回収をしたいと思うのは当然かもしれません。

僕はこの辺りで、自分は身を引くべきと考え出します。

仕方がないわね。全てのリスクを負うのはオーナーだもんね。
あっけなく、輸入雑貨店はわずか1年ほどで店をたたむこととなります。
まとめ。
- 個人店の5年後の廃業率は75%。
- 1から作るお店作りはヤリガイがあり、魅力的な作業である。
- 街に突然現れた個人店に来るほどお客さんは甘くない。
- 1つのヒット商品で経営の流れが変わる事がある。
- 個人事業主と雇われ店長ではリスクの負い方が全く違う。
その後、筆者が売っていた黒豆茶がどうなったかと調べましたが、
結局、どうなったか分かりませんでした。
今では色々な会社が、黒豆茶を販売しています。
黒豆茶を愛用している人も多いかと思います。
今もふと、あのまま黒豆茶の販売を続けていたらと考える時があります。
それは後悔ではなく、楽しい想像をさせる時間です。
最後までお読みいただき有難うございました。

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