みなさん、こんにちは。ご訪問頂きありがとうございます。
筆者は、たくさんの仕事を経験してきました。
今回はその中でも、少し風変わりな仕事について紹介したいと思います。
それは「落書き消し」という仕事です。
あまり聞き馴染みのない仕事だと思われます。
簡単に言うと、街でよく見られる「落書き」を除去・洗浄をしていくという仕事になります。
主に公共的な場所・箇所の「落書き」を、消去していきます。
実はこの仕事は、緊急雇用創出事業と言われる国の事業の一環です。
永続的なものでなく、短期的なお仕事になります。
今回の記事は、この珍しい「落書き消し」のお仕事について書いてみました。
求職中の方や退職予定の方にも「こんな仕事があるんだな」と思っていただけるかと感じます。
求職中の方は「次こそは一生の職業を。」と頑張って求職活動されている事でしょう。
今回、紹介する様な短期的仕事も視野に入れると、気持ちも楽になるかと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。


緊急雇用創出事業とは。
緊急雇用創出事業とは、長期不況による大量の解雇者のために、都道府県から委託された民間企業が短期間雇用を行う事業です。
それが後々に、長期的仕事への就職や生活の安定につながる事を目的としています。

国の施策の1つで、税金が投入されてるのね。

2008年のリーマンショックで大量の解雇者が出た際に、国からの援助という形で始まりました。
確かに当時は、ハローワークも求職者数で溢れ返っていました。
2008年の失業率は約4%もありました。
現在2022年の失業率2.8%と比較すると、失業者が多い時代と言えます。

「落書き消し」の求人。
「落書き消し」仕事の採用過程。
この頃筆者は、仕事探しが上手くいかない時期でした。
たまたまハローワークでこの求人をみつけます。
まずは「みんなで一斉にスタート」という文言に魅力を感じます。
そして半年で契約が切れるという手軽さが、今の自分には合っていると思い、応募しました。
応募先の会社は、国からの委託でこの事業を請け負っており、面接もその会社で行いました。
面接にはあっさりと合格します。
それから数日後に、採用者の約50名が入社説明会に集められます。
入社説明が済んだ後、1班4名の班構成が発表されました。
発表後に班ごとに分かれて、各々で自己紹介をします。
入社説明会の終了時に、会社の担当者から班長という立場を依頼されます。

僕は班長となりました。班長手当は一日500円が支給されます。

良かったわね、もちたけ班長。
待遇と給与。
勤務は、完全週休2日制で土日祝が休みです。
勤務時間は、8時半から17時の休憩1時間でした。
社会保険完備で交通費は全額支給でした。
残業は一切ありませんので、給与は月に手取り15万円前後でした。

かなり安い給料ね。

仕事に就くのが難しい時代でしたので仕方ないです。

筆者は班長手当があり、他の班員より月1万円は多い感じでした。

良かったわね、もちたけ班長。
契約期間は半年間です。
半年後にはスパッと終了という求人でした。
「落書き消し」の仕事。
仕事内容。
落書きを探す「探索班」とそれを消す「消去班」の2グループに分かれます。
仕事は、班ごとに分かれて行動します。
1つの班に1台の社用車が与えらます。
1台の社用車に、班メンバー4名が乗り込み、各班は移動します。
探索班の仕事は以下の様なものです↓
- 担当エリア内で落書きを探します。
- 落書きを見つけたらデジカメで撮影。
- 車移動中に車内で報告書を記入作成。
- 探索班からの報告書をもとに落書き場所に移動。
- 落書き消去前にデジカメ撮影。
- 落書き消去用の清掃具で消去と周辺を洗浄。
- 消去した箇所をデジカメ撮影。
- 車移動中に車内で報告書を記入作成。

一日の仕事の流れ。
8時半から事務所で朝礼を行います。
朝礼には各班長だけが集合します。
班長以外は事務所前で駐車し、車中で待機します。
朝礼で、担当社員から業務についての注意事項を聞きます。

社用車での事故や交通違反については、重々注意されます。ゆっくりで良いので事故だけは気をつけて下さいと。

短期仕事で事故ったりしたらバカらしいもんね。
担当社員の申し送り後に各班長が、本日の探索場所や消去方法を報告し合います。
朝礼解散後、各自の社用車に乗り、車中で班だけの朝礼を行います。
班長は、班員に朝礼での注意事項を伝えます。
班の朝礼後、各班の車は各々の目的地に向かって移動して行きます。
探索班・消去班それぞれの仕事の一日の流れは以下のような感じです↓
- 8時45分頃~ 車中で班員に朝礼での注意事項を伝えます。
- 9時前~ 担当エリア内で落書きがありそうな場所(電柱・ガードレール・公園のトイレや遊具・高架下・歩道橋・道路脇の分電盤)を班員で相談・進路を決定します。
- 9時すぎ~ 一人が運転、助手席の者がナビ。後部座席2名は一応落書きがないかを車外から観察します。
- 午前中~ 車をゆっくり走らせながら、時には車から降りて歩いて落書きを探します。見つけたらデジカメで写真を撮ります。落書きの写真と場所が特定できるように撮ります。
- 12時~13時 昼休憩。
- 13時~ 午前と同様の作業になります。
- 16時半 事務所前の駐車場に戻り、班長だけ事務所内で終礼を受けます。
- 17時退社

- 8時45分頃~ 車中で班員に朝礼での注意事項を伝えます。
- 9時前~ 前日に探索班が見つけた落書き報告書をもとに今日のスケジュールを立てます。ノルマはありませんが、一日3~8個程の消去を目指します。
- 9時すぎ~ 一人が運転、助手席の者がナビ。後部座席2名は一応落書きがないかを車外から観察します。
- 午前中~ 事務所から近いエリアだったり、落書き数個が密集していればサクサクと消去数が増えます。
- 12時~13時 昼休憩。休憩時間は日によってバラバラです。
- 13時~ 午前からの続きで車移動、現地到着、落書き箇所特定、消去清掃を繰り返します。
- 16時半には事務所前の駐車場に戻り、班長だけ事務所内で終礼を受けます。
- 17時退社
終礼後に班長は、落書き作業の報告書や駐車場代のレシート、備品代のレシートを事務所スタッフに渡します。※朝礼時に班長は備品代として2千円を渡されています。

車を止めて作業をする時は、必ず有料駐車場に止めます。

駐車違反等の交通違反については、自己責任となります。

短時間だけ路駐して、違反切符を切られたスタッフもいました。

それ最悪ね…。
探索班と消去班との格差。
筆者は消去班でしたが、欠員がある時は探索班に応援したりしました。
その為に分かるのですが、消去班の方が大変です。
探索班は落書きを探して撮影するだけなので、清掃や消去といった作業はしません。
一方の消去班は、探索班の落書き報告書を見て、落書きを探しに行きます。
しかしこれが、なかなか見つかりません。
公園や歩道橋には名前がついており、探しやすいのですが、電柱や道路脇などの落書きは探すのに手間取ります。
報告書がいい加減だと、探すだけで小一時間かかる時もあります。

報告書の書き方について、よく探索班と揉めました。

仲良くしようよ。
消去班には、やっと探した後にメインの消去作業がある訳です。
当然のごとく、消去班のメンバーからは不満が出てきます。
車内に積み込むものも消去班は清掃道具や備品が一杯ですが、探索班はデジカメのみです。

探索班と比べて、不公平だって消去班員達はよくグチってました。

醜い争いね。

若い班員とのトラブル。
スタッフは全員で約50名、男性のみです。
20歳代から50歳代くらいまでのメンバーが採用されていました。
こういう半年契約で仕事内容も落書き消しですので、あまり優秀とは言えなさそうな人達が集まります。(筆者を含めて)。
その中で一番若い20歳そこそこのA君が筆者の班にいました。

このA君の態度の悪さにとても悩みました。

出たわね。職場の人間関係の悩みが。
A君は常に携帯電話をいじってます。
車移動中は勿論、車中で行う班員での朝礼中も、清掃作業中もずっと携帯電話を触ってました。
今思えば、きちんと注意しておけばと後悔してます。
ただ、注意すると一日中険悪なムードで仕事しなきゃいけないなとか思ったりすると、なかなか言いだせずにいました。

いつか自分で気づいてくれないかと、様子を見ていました。

班長として言えば良かったのに。
A君の仕事に対する態度は日に日に酷くなる一方です。
ある日A君は、任された落書き消去を全くしていませんでした。
筆者は、A君が喫茶店で休憩してたのを発見します。
これはもう手に負えないと感じ、会社の担当者に話しました。
担当者の方も、A君の態度の悪さには以前から承知してた様です。
会社側とA君は話し合った結果、A君は退職することとなりました。

A君は「こんな仕事、真面目にやってられない」と言い放ったそうです。

モンスターね。悪い意味で。
班員が少なくなって作業は少し大変になりましたが、班の雰囲気は一気に明るくなりました。
半年の契約期間終了。
たかが半年とはいえ、色々なトラブルや人間関係のもつれはありました。
しかし無事に、半年の契約期間を終えます。
請負会社が、全スタッフを集めて終わりの会を開いてくれました。
スタッフの中には、請負会社の担当者に別の仕事を頼み、そのまま会社に身を置いた人もいたみたいです。

筆者は契約期間中に次の職を見つけていたので、契約満了で退職しました。

ちゃっかりしてるわね。
まとめ。
- 求人をチェックし続けてると、非常に面白い求人に出会う。
- 「みんなで一斉にスタート」の仕事は魅力。
- リーダー手当や班長手当は、割りに合わない事が多い。
- 国の緊急雇用事業の仕事は給料は安いが、無茶をさせない安心感はある。
- 仕事のマナーや常識は、早めに言ってあげた方がいい。
最後までお読みいただき有難うございました。

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